いつもありがとうございます。
日本ヘッドセラピー協会 代表の西川聡です。
今回のお話は、少し長めでしたので、
3部構成(第一部〜第三部)に分けてまとめました。
Facebookにも元となった文を掲載していますので、
よければこちらからご覧ください。
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▼ 身体編・心編・柱編
【第一部】身体編 ― 訓練がつくる「無意識の知」
『鬼滅の刃』を三度観て、
あらためて感じたことがあります。
それは
『身体は訓練によって磨かれ、
心は意識によって導かれる』
ということです。
まず、身体は「反復」によって
自然に最適化されていきます。
練習を重ねれば重ねるほど、
動きの無駄が削ぎ落とされ、
やがて身体が自ら“省エネ運転”を始める。
この状態は
「無意識の知(身体知)」の領域です。
たとえば、施術の練習を何度も重ねるうちに、
手が自然に「いい力加減」や
「いいリズム」を覚えていきます。
もう、頭で考えなくても動ける。
これは、
身体が自動で最適化されている証拠です。
つまり
▽ 身体は「習慣」で動く。
この“自動化された知恵”が、技術の基盤になります。
そして、その上に「意識」という舵取りが加わることで、
はじめて人の心に届く“技”が生まれるのです。
【第二部】心編 ― 思考は「意識」で導くもの
身体は訓練すれば自然に育ちます。
けれど、心や思考はそうはいきません。
放っておけば、思考は惰性で流れ、
過去のパターンや感情に支配されてしまいます。
思考には、常に“意識の舵取り”が必要です。
訓練で自動化できるものではなく、
一瞬一瞬の「選択」の積み重ねでしか導けません。
▽ 身体は「習慣」で育ち、
▽ 思考は「意志」で育つ。
この違いを理解している人ほど、
仕事が冴えます。
たとえば、ヘッドセラピーで言えば、
「相手に何を届けたいか」という
『心の方向づけ』を持つかどうか。
ここが何よりも大切です。
* 「リラックスしてほしい」
* 「安心を伝えたい」
* 「頭をまっさらにしてほしい」
こうした“意図”を毎回意識できているか。
それだけで、
同じ手の動きでも伝わる深さがまるで違ってきます。
ヘッドセラピーとは、
▽ 手が自動で動き、心が意識で導く。
そんな二重奏のような技です。
この「手と心の協奏」ができたとき、
施術は単なる技術を超え、「祈り」になります。
身体を整え、思考を導く。
その両輪が噛み合ったとき、
人ははじめて“成熟”という
境地に立てるのだと思います。
【第三部】柱編 ― 「技」と「心」の両方を磨く
『鬼滅の刃』に登場する「柱」たちは、
戦闘力と技術の頂点に立つ者たちです。
しかし、彼らが人格者であるとは限りません。
多くは、過酷な過去や痛みを抱えたまま
強くなった存在。
言い換えれば、
“人としては未完成の英雄”です。
その中で、
悲鳴嶼行冥(ひめじまぎょうめい)
だけは異質です。
彼は「技を極めた戦士」である前に、
「心を修めた人」。
- 盲目でありながら、心眼で世界を見ている。
- 怒りや悲しみを、祈りで昇華している。
- 人間の弱さを知り、それを責めず、包み込む。
彼は「修練」を超え、「修行」の域にあります。
他の柱たちが“技で戦う”のに対し、
悲鳴嶼さんは“心で戦っている”。
▽ 技は手で磨ける。
▽ でも、人は心でしか磨けない。
ヘッドセラピーや癒やしの世界にも通じます。
手が上手いだけでは足りない。
“心で触れる”手にまで昇華したとき、
そこに本当の格の違いが生まれるのです。
そして、まだ鳳雛ですが、
もう一人の柱、
竈門炭治郎(かまどたんじろう)。
彼は「優しさ」を通して
鬼にすら心を向けました。
敵を斬りながらも、
「どうして鬼になってしまったのか」と思いやる。
悲鳴嶼さんが
「過去を赦した人」なら、
炭治郎は「他者を赦す人」。
悲鳴嶼が
“悟り”を体現するなら、
炭治郎は“純粋さ”を体現しています。
この二人こそ、「心で立つ柱」。
他の柱が「技と誇り」で立っているのに対し、
彼らは「心と真理」で立っているのです。
やがて炭治郎は、
悲鳴嶼のような心の成熟に至ります。
まるで、悲鳴嶼という完成された魂が、
炭治郎という若い命に受け継がれていくかのように。
▽ 本当の柱とは、
▽ 人を導くほどの心を持つ者。
それは称号ではなく、
『生き方そのものが“柱”』なのです。
結びに
『鬼滅の刃』は、
「強さ」を描いた物語ではありません。
本当は、
『人が心を磨き、“柱”になっていく物語』
なのです。
身体を訓練で整え、心を意識で導く。
この両輪が噛み合うとき、
人は“技を超えた人間”へと成熟していく。
▽ 身体は訓練で磨き、
▽ 心は意識で磨く。
▽ 技と心が噛み合ったとき、
▽ その人は真の「柱」となる。